第32章 激しい一夜

杉浦杏奈の指先が灰原仁司のそれに触れた瞬間、頭の中に浮かんだのはただひとつ――あり得ない、という言葉だった。

大きすぎる。

片手じゃ収まらない。両手で包んで、ようやく形になる程度だ。

前の人生で、杏奈は色んな男を見てきた。けれど、こいつだけは別格だった。大きさも、硬さも、熱も、全部が桁違い。

杉浦杏奈は息をひとつ吸い込み、上下に動かし始める。

灰原仁司の呼吸が重くなる。

彼は俯いて、額を杏奈の肩に押し当てた。唇が鎖骨に触れ、焼けるような吐息が肌に降りかかる。杏奈の呼吸まで、釣られて速くなった。

彼女の手は器用だった。どこが敏感かも、どのくらいの力がちょうどいいかも、どうすれば男...

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